コミュニケーション

言葉の違いについて思うこと

昔、ご縁があって友達になったとある東北の女性がいました。
小柄で色白で明るく頑張り屋の彼女は、いつも面白いことを言って私たちを笑わせてくれたものです。
東北人は、寒くて雪深いところで暮らしているので、寡黙で粘り強い人が多いんだなんて聞いたことを思い出すことがあります。

そんな彼女は、こんなことも言っていました。
「東北人は皆同じ言葉を話すと思われがちだけど、県によって言葉は違うのよ。時々全く理解できない言葉を聞くことだってあるんだよ。」 って。
確かに、私も彼女に会うまで岩手県人も宮城県人も秋田県人も同じ言葉なのだと思っていました。
でも、それはどうやら間違っていたようです。

そして思い出したんです。
関西人についても、他の地方の方が多くの誤解を抱いているということを。
テレビやラジオなどで、関西弁を話す場面を目にしたり耳にすることがあるかと思いますが、大阪人も和歌山県人も京都人も、みんな同じ言葉を使っていると思っている方は少なくないかもしれません。

しかし、本当のところは違うんです。
時々、関西弁をまねる関西人以外の方に会うことがあるのですが、聞いているとすぐに関西人ではないことが分かります。
たぶん、他の関西人も私と同じように、すぐに分かるんじゃないでしょうか。
きっと、東北の方も東北弁をまねる方を見たとき、東北人ではないとすぐに分かるのでしょうね。

京都弁と大阪弁はどんなところが違うのか

京都弁と大阪弁にも、大きな違いがあります。
たとえば、「何をしているのですか?」という言葉を話す場合、京都弁では「何してはりますの?」となりますが、大阪弁の場合は「何してんねん?」と言います。
また、「~に行けない」という言葉は、京都弁の場合は「~に行けへん」と言い、大阪弁では「~に行かれへん」と言います。
「分かりません」は、大阪弁だと「分かれへん」となり、京都弁の場合は「分からへん」となります。

このように、関西弁にも場所によって微妙に違うことが多いのです。
でも、関西人にすればちょっとした違いであっても、やっぱり違うと思う大きなポイントなんです。
京都弁は、全体的に柔らかい印象を受ける方も多いようです。
他の関西弁の場合は、明るくて元気な印象を持つ方もいます。

私は、いずれにしても関西弁が大好きです。
標準語も大事ですが、生まれ育った場所の言葉も大切なことに違いありません。
京都に遊びに来た時は、お店やレストランなどで店員さんの言葉にも注目してみると面白いかもしれませんね。
人それぞれ感じ方は異なるかと思いますが、嫌な印象を受けることはないのではないかと思いますし、是非そうあってほしいなと思っています。